教育ローン審査落ち、その理由はどこにあるの?
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結婚して三年になる主婦です。昨年、若いころからの(今ももちろん若いつもりですが)念願であった子供を授かることができ、幸せいっぱいの、非常に充実した毎日を過ごしています。旦那がしっかりと働いてくれているおかげで、私は結婚を機に退社してから一度も外に働きに出る必要がなく、専業主婦として子供と過ごさせてもらっています。旦那には本当に心から感謝しています。世の中には子供嫌いの人もいますが、私には我が子がかわいくて、仕方ありません。
けれども、子供をかわいいかわいいと言ってばかりもいられないんですよね。もちろん、自分の子供はいくつになってもかわいいものでしょうが、そういう心情的な問題ではなく、子育てにかかる費用というものを、ぼちぼち考えなければいけません。特に私が気をもんでいるのは学費です。幼稚園、小学校、中学校から大学に至るまで、総額にすれば本当に目玉が飛び出そうなほど大金がかかります。さらに、今は一人目の子供しかいませんけれども、将来的にはもう一人くらい欲しいなと思う可能性だってあるわけで……。
当然ながら、教育ローンというものに目をつけておかなければなりませんね。たいていの銀行やその他の金融機関で、教育ローンと呼ばれるサービスを展開しています。ただ、教育ローンの審査って、けっこう厳しいらしいんですよ。住宅ローンの次ぐらいに厳しいよというような噂を聞けば、ちょっと怖くなりますよね。昨年、子供ができたことを機にカードローンを申請しましたが、その審査はなんとかパスしました。
教育ローンの審査に落ちてしまうとすれば、その原因はいったいどこにあるのでしょうか? どなたかお詳しい方、情報をください。
年収に不相応な融資を受けようとしていませんか?
一般的な教育ローンの審査に比べれば、教育ローンの審査は少々、厳しい基準で見られます。どうしても借り入れの金額が大きくなるので、これはやむを得ないことかもしれません。
(⇒静銀教育ローンの審査は厳しい?)
同じ消費者金融を利用するにしても、銀行と提携している、いわゆる「銀行系」の企業の方が、金利が低く抑えられていてうれしいのですが、その分、初回に借り入れる際の審査基準は厳しくなりますよ。簡単にお金を貸してもらえたと思いきや、その分、金利は高く付いてしまったり。どっちを選ぶかはあなた次第ですね。
教育ローンの審査においては、年収が特に重要視されます。十分に安定した年収を継続的に得ていれば、審査を無事に通過できる可能性は高くなります。例えば、年収が三百万円程度の利用者が、いきなり百五十万円ほどのお金を借りようとしたって、それはちょっと厳しい相談だと言われるわけです。
ただ、お金を借りようとした時に初めから拒絶されるのではなく、借り入れの限度額を少し低く設定した状態で対応されるというのが一般的な事例です。例えば年収が三百万円であれば、初回の借り入れは五十万円程度が妥当ではないでしょうか。
教育ローンの審査に落ちてしまう原因は、年収の低さ以外にも考えられます。ローンを申請する段階で、すでにほかの借金があり、なおかつその借金をまだ完済していない場合は、教育ローンの審査に落ちてしまう可能性が非常に高くなります。
思いがけない教育ローン審査落ち、その理由とは?
受験シーズンが近づくと、子どもの成績のほかにも、親御さんには心配の種が増えるかもしれません。それは合格・進学後の教育費の問題です。昨今は進学先の選択肢も多様化していますが、その反面、教育費も高騰しているのが現状です。
なかでも私立大学の医学部や歯学部に進学すれば、よほどの蓄えがない限り、家庭には大きな負担となるのが普通です。あるいは費用のかかる留学を選ぶ子どももいるでしょう。公立校で学費自体は抑えられても、引っ越しや下宿費用がかさむ場合もあります。こうした負担を埋めるものとして、各種の教育ローンが用意されています。
教育費をまかなうには、奨学金という方法もあります。教育ローンは保護者が借りるもので、奨学金は子どもが借りるものという違いがあります。諸外国の奨学金の中には、返さなくても良いものもありますが、日本ではほとんどが卒業後に返済しなければなりません。その意味では、どちらも借金という点で共通しています。
ただし奨学金は子どもの成績などが主な審査要件となるのに対して、教育ローンは親の社会的信用が大事になります。金融機関は借りる人の返済能力を重視しますから、これは当然のことです。成績優秀な子どもは、卒業後にキチンと返済してくれるでしょうし、年収の多い親が滞納することは少ないと判断されるわけです。
教育ローンとして代表的なもののひとつに、「国の教育ローン」があります。これは日本政策金融公庫が実施しており、一年中いつでも受け付けています。受験や入学で大金が必要なときだけでなく、学期の途中で学費が足りなくなったようなときにも利用できます。
また6親等内の血族なら誰でも申し込めるため、両親以外にも叔父・叔母や兄・姉などがローンを使えます。金利の面では、いろいろな教育ローンの中でも最も低く有利なものと言えますが、母子家庭だとさらに金利が低くなるなどの優遇措置があります。教育資金に困ったら、とりあえず申し込んで損はないでしょう。
国の教育ローンであっても、もちろん事前に審査があり、通らなければ融資を受けることができません。国の教育ローンならではの特徴として、年収が多すぎると審査には通りません。逆に少ないほうの制限はないとされていますが、返済能力がなければ借りられないのは普通のローンと同じです。
審査に当たっては、保護者の勤務先や勤続年数、収入や現在の借入状況などが総合的に判断されます。ただし具体的な審査基準は公表されていません。年収の何割までと示されているわけではありませんが、ほかのローン残高が多いようであれば、審査に通ることは難しいでしょう。
国の教育ローンは、奨学金を受けていても重複して借りることができます。また借入限度額は、子ども1人につき350万円までです。これは銀行などの教育ローンに比べると低めですが、「1人につき」なので、兄弟が2人いれば700万円まで借りられることになります。
無論、それだけの返済能力がないと判定されれば、申し込みは却下されます。国の教育ローンは他と比較して有利なだけに、一般には審査が厳しいとされています。また受験シーズンには申し込みが集中するため、審査に時間がかかることもあります。入学金の振り込みに間に合わなかった、などということがないよう、早めに手を打っておかなければなりません。
さて国の教育ローンの他にも、都市銀行や地方銀行では、各種の教育ローンを提供しています。これらは国の教育ローンに比べると、金利は若干高めですが、一般のカードローンなどに比べれば、かなり有利な条件で借りることができます。
また融資の上限金額も、国の教育ローンより高めに設定されていることがほとんどです。どんな場合に利用できるかは、金融機関によって異なります。留学などに使えるローンもありますが、各種学校への進学は対象外としているところもあるので、前もって調べておくことをお勧めします。
民間の教育ローンにも、融資を受けられるかどうかの審査があります。やはり年収や勤務先などが調査され、一定額以上の安定した収入があれば審査に通ります。その基準は金融機関によって異なり、公表されていませんが、返済能力がないと見なされれば審査落ちになることは共通しています。
ローンによっては連帯保証人を要求される場合もあり、条件を満たさないと借りることができなくなります。しかし一見十分な収入があっても、思いがけず教育ローン審査落ちになるケースは、しばしば見られます。ひとつの原因として考えられるのは、個人信用情報に問題があることです。
個人信用情報については、国の指定する3つの機関が、ローンの借入・返済状況を調べて情報を収集しています。主に銀行が利用する全国銀行個人信用情報センター、消費者金融が利用する日本信用情報機構、信販会社が利用するシー・アイ・シーです。
これらの機関は互いに情報を共有できるようになっており、利用者が消費者金融で返済を滞納した事実は、銀行や信販会社でも知ることができます。教育ローンを申し込むと、その人の過去のローンやクレジット利用歴が、これらの情報機関に照会されます。そして返済を滞納した経歴があるなど、過去や現在の経済状況に何らかの問題が見つかると、審査には通らなくなる場合が多いのです。
具体的には、借金が返済できなくなり、自己破産や任意整理などを行なった場合、個人信用情報に記録されます。3か月以上にわたって返済が滞ったときも同様です。借金をしたことがなくても、クレジットカードの利用で同じように判定されることがあります。たとえば分割払いでスマートフォンを購入し、手違いで銀行引き落としができなかった場合などです。これらは金融事故と呼ばれ、5年~10年の間は記録から消されません。いわゆるブラックリストに載った状態となり、教育ローンだけでなく、その他のローンも組めなくなります。
個人信用情報がネックとなって審査落ちした疑いがあるなら、情報開示を請求することができます。上記の個人信用情報機関では、郵便やインターネットで開示請求を受け付けています。手数料は必要ですが、一度自分の信用情報を確認することが大事かもしれません。
まれなケースですが、同姓同名の人の金融事故が誤って自分の情報として記録され、融資を受けられなかったという実例が存在します。人間のする事に絶対はありません。なお一定期間が経過すれば、ブラック情報は消去されますから、改めてローンを申し込むことができます。
その他では、現在の債務残高が多すぎるため、教育ローンの審査に通りにくくなっていることが疑われます。借入は年収の3分の1までという規制は消費者金融だけですが、それでも多額の借入は銀行の心証を悪くするでしょう。
あまり必要のないクレジットカードやローンカードを持ちすぎている人、あちこちのローンを同時に申し込んでいる人も、借り逃げされるリスクを考えると、銀行が積極的に融資したい相手ではないと考えられます。さらに、一度申し込んで審査落ちした人が、まったく同じ経済状態で再び申し込んだときも、審査に通る可能性は低いでしょう。(こちらもご参考に→ローン審査に通れない時はどんなことをすればいい?)
現在では教育ローンもカードローンなどと同じように、インターネットで仮審査を行ない、1~2週間かけて本審査を行なうというシステムが増えてきました。最短でその日のうちに融資可能としている金融機関もあります。
しかし入学直前で審査に落ちると困ったことになりますから、余裕を持った申し込みを心がけるのが大切です。と同時に、教育ローンといえども借金である点は忘れないようにしたいものです。無計画に教育ローンを申し込む人は少ないでしょうが、他に多額の借入があると、将来の生活を圧迫することになりかねません。入学や進学に必要な費用のうち、どうしても足りない部分だけをまかなうという考え方が基本です。
【参考ページはこちら】
様々なローンの審査基準ってどうなってる?